ニュース&トピックス

2011/03/25(金)
学長メッセージ

2011年3月11日に東北地方及び関東地方沖合周辺を震源とする巨大地震が発生し、それに伴って誘発された巨大津波によって、多くの貴重な命が奪われるとともに、それを上回る生存が不明な方々がいらっしゃいます。この未曾有の自然災害によって犠牲になられました方々に、心から哀悼の意を表したいと思います。
 また、多くの被災者のみなさまにおかれましては、避難所等で不自由な生活を強いられていらっしゃることと思います。ライフラインをはじめとする生活基盤の復旧が一刻も早く整い暖かい救援の手が届くことを願ってやみません。
 この地震と津波によって引き起こされた原子力発電所における放射性物質の漏出事故は、この種の事故としてはわが国が初めて経験する非常事態です。地震、津波によって  被災された方々の救出・救援にあたっているみなさん、原子力発電所事故に対応するために不屈の闘志をもって、まさに命がけで努力をされている方々に心から感謝を申し上げます。

国際武道大学においては、直面するリスクに関するより正確な情報を収集し、客観的な事実にもとづき、これらを冷静にふまえた対応を取るべく学内外の総力を結集して取り組んでおります。保護者の皆さんにおかれましては、正確な情報が必ずしも的確に伝達されていない状況のなかで、不安な気持ちをもたれている方も多いことと思います。国際武道大学の教職員は総力を挙げて学生の安全を確保すべく、正しい情報をもとに行動いたしますので安心してお子様を送り出していただきたいと思います。
 2010年度の卒業生の諸君には卒業式の式典を挙行し社会に送り出すことはかないませんでしたが、国際武道大学で学んだ4年間のそれぞれの思いを胸に、一人一人の未来に向かって頑張っていただきたいと思います。在学生のみなさんは、新たに始まる2011年度に向けて、このような状況であるからこそ、創設者松前重義博士が求めた道をより一層、懸命に追求しようではありませんか。
 新入生のみなさん、残念ながらみなさんのために多くの人が準備に携わってくださった入学式の式典は挙行できなくなりました。国際武道大学のミッションステイトメントは、創設者松前重義士の思いを、「道を求める心を持ち、道をもって交わる人が集い、人のふむべき普遍的な道によりて、人類のふむべき道が実現する」ことを『道を知り、道をひらく』と表しています。新入生の一人一人が胸に秘めている思いを大切に、創設者の心を受け止め大学の門を開いていただくことを願っています。
 国際武道大学の新入生、在学生のみなさん、教職員とともに、この苦難の道を切り開き、安心して次代に引き継ぐことのできる未来への道を築いて行こうではありませんか。

2011年3月
国際武道大学
学長 成澤 三雄