実験室等の紹介
209号室 生化学?栄養化学研究室
209号室全景
分光光度計
主に骨格筋内のタンパク質濃度や代謝酵素活性値の測定に利用
イムノブロッティングシステム
ウエスタンブロットのためのタンパク質の分離および膜転写に利用
イメージングシステム
染色後のゲルや化学発光後の転写膜のイメージをPCに取り込むために利用
電気泳動結果(足底筋MHCアイソフォームを分離)
ウエスタンブロッテング結果(ラット骨格筋における各種タンパク質の発現とリン酸化の検出)
主なスタッフ
責任者
刈谷 文彦
共同研究者
立木幸敏(教授)、湊久美子(和洋女子大学)、山内秀樹(東京慈恵会医科大学)、町田修一(順天堂大学)、関和彦(国立精神?神経医療研究センター?神経研究所)、福典之(順天堂大学)
概要
1986年武道科学研究センター開設当初から、当時の最新の機器を備えた生化学?栄養化学研究のための実験室として設置された。生理?生化学的分析を通して、生体機能の適応反応を研究することで、本学における科学的な視点から健康?スポーツを探求できる人材の育成の一端を担っている。1995年に大学に移管され、設備?機器類も生化学分野の研究?教育のために基本的に必要なものは備えられている。
主な設備機器
分光光度計、電気泳動装置一式、高速冷却遠心機、微量高速冷却遠心機、液体クロマトグラフィー、浸透圧計、超純水製造システム一式、pHメーター、電子天秤、ディープフリーザー、クロマトチャンバー、ゲルドライヤー、データ解析用PCなど
研究?教育
本実験室の大きな研究テーマは、「身体運動が骨格筋の形態?機能的特性に及ぼす影響」である。現在は、自発運動ラットの骨格筋を用いて、身体活動量と骨格筋の形態?機能的特性における適応反応の関連性を代謝酵素活性、ミオシン重鎖アイソフォーム組成、およびウエスタンブロッテングを用いてのエネルギー代謝関連タンパク質の発現量の変化から検討している。また、2016年度から、学内プロジェクトにおいて、立木幸敏教授を共同研究者に迎え、?発育がラット内側腓腹筋の表層部および深層部の形態的?機能的特性に及ぼす影響?をテーマとし、研究課題に取り組んでいる。
本学プロジェクト研究として、?本学学生の栄養調査に関する研究?を、湊久美子氏(和洋女子大)を共同研究者に迎えて行った他、山内秀樹氏(東京慈恵会医科大)との共同研究においては、「筋萎縮時におけるミオシン重鎖アイソフォーム組成の変化に関する研究」を行い、多くの成果を残している。過去においては、関和彦氏は本学在職中に「随意的筋力発揮時における運動単位の動員パターンに関する研究」で、また町田修一氏は、研究生?特別研究員として在籍中に「身体運動と心筋のミオシンアイソザイム組成に関する研究」、「老齢ラットの骨格筋を用いてのサルコペニア予防に関する基礎的研究」などで、多くの成果をあげた。
センター開設当時から成澤が指導教員として行ってきた運動生理学演習(現、応用生理学演習)の実施場所として、多くの演習生が本実験室を拠点として研究活動を行ってきた。卒業生の中には、ミトコンドリア遺伝子多型と生活習慣病や身体運動能力の関係性の研究を行っている福典之氏(順天堂大学)のように、その分野の若手研究者の第一人者となって活躍中の研究者もいる。また、大学院の授業(健康スポーツ特論?特演)などでも本実験室は活用されている。
主な研究成果
原著論文
- Kariya F, Kitagawa J, Kobayashi K, (2014) Effects of Continuation of Modest Physical Activity after Vigorous Activity on Tibial Bone Mass in Adulthood in Wheel-Running Rats. J Osteopor Phys Act 2:122.doi:10.4172/2329-9509. 1000122
- Machida S, Narusawa M. The roles of satellite cells and hematopoietic stem cells in impaired regeneration of skeletal muscle in old rats. Ann N Y Acad Sci.1067:349-353 (2006).
- Minato K, Sato Y, Kobayashi S, Kariya F, Kobayashi K, Narusawa M, Ohmori T. Nutritional status of Japanese male collegiate athletes. Jpn J Phys Fitness Sports Med. 55S:S189-192 (2006).
- 砂田政伸、刈谷文彦、眞鍋芳明、岩壁達男、成澤三雄.激運動間におけるプレクーリングが運動パフォーマンスに与える影響.陸上競技研究 66:11-16 (2006).
- Kariya F, Yamauchi H, Kobayashi K, Narusawa M, Nakahara Y. Effects of prolonged voluntary wheel-running on muscle structure and function in rat skeletal muscle. Eur J Appl Physiol. 92:90-97 (2004).
- 刈谷文彦、北川淳、小林啓三、成澤三雄、中原凱文.長期間の自発運動がpQCTによる成長期ラットの脛骨骨量に及ぼす影響.体力科学 53:107-114 (2004).
- Machida S, Tsujimoto H, Suzuki H, Kasuga N, Kobayashi K, Narusawa M. Age-related differences in the effect of running training on cardiac Myosin isozyme composition in rats. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 57:B339-B343 (2002).
- Kariya F, Yamauchi H, Kobayashi K, Narusawa M, Nakahara Y. Functional alterations in rat skeletal muscle in the period following prolonged voluntary activity. Proceedings of XXVII FIMS World Congress of Sports Medicine C605C0193:103-107 (2002).
- 山内秀樹、刈谷文彦、田端淳一、宮野佐年.成熟ラット速筋の形態ならびにミオシン重鎖分子種組成に及ぼす長期非荷重の影響.日本生理学雑誌 64:147-151 (2002).
- 山内秀樹、刈谷文彦、田端淳一、宮野佐年.長期非荷重に伴う筋萎縮とミオシン重鎖分子種の発現変化.リハビリテーション医学 39: 236-244 (2002).
- Seki K, Taniguchi Y, Narusawa M. Alterations in contractile properties of human skeletal muscle induced by joint immobilization. J Physiol. 530:521-532 (2001).
- Seki K, Taniguchi Y, Narusawa M. Effects of joint immobilization on firing rate modulation of human motor units. J Physiol. 530:507-519 (2001).
- Machida S, Kariya F, Kobayashi K, Narusawa M. Lack of effect of running training at two intensities on cardiac myosin isozyme composition in rats. Jpn J Physiol. 50:577-583 (2000).
科学研究費
- 2004年度 特別研究員奨励費;町田修一「加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)発症と筋衛星細胞との関係」
- 2001年度 若手研究(B);刈谷文彦「成長期から成熟期にかけての身体活動レベルとラット骨格筋機能の関連性について」
- 1996年度 奨励研究(A);関 和彦「廃用性筋萎縮に伴う運動神経機能の低下は骨格筋への伸張刺激によって抑制できるか」
- 1994年度 奨励研究(A);関 和彦「骨格筋の廃用性萎縮及び回復時における神経系機能の適応」
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